沈没したヴァイキング船の見取り図 - Massimiliano Ditta |
Rhinoが海洋考古学のお役に立っています!
ドイツ、メクレンブルク=フォアポンメルン州で、港の修理業者が入り江の海底に複数の沈没船を発見しました。シルト(沈泥)で覆われた極端な嫌気性環境だったため実質的な無菌状態で腐食もキクイムシの痕跡もなく、沈没船の木材はほぼ完璧な状態で保存されてましたから、これは素晴らしい発見でした。
1隻は平底船、別の1隻は横帆があり、バルト海沿岸で重い荷物を運ぶ頑丈な貨物船、3隻目は尖ったヴァイキングスタイルの船でした。
沈没していたヴァイキング船を3Dスキャン |
専門家チームはすぐに沈没船の詳細を記録し、保存する必要がありました。元はシルトに覆われていた木材は無防備になり、損傷を受けやすくなりました。海底から引き上げた後はクリーニング、スキャン、処理、説明、注釈を付け、228の木材を写真に収める必要がありました—それも1年以内に。
毎日7つの木材がスキャン用に準備され、そのうち2つは軽く押さえるように水気を拭き取って1つずつスキャンしましたが、乾いた空気にさらすと歪みや断裂につながることから、残る5つには待っている間ぬらした布がかけられました。
1つ1つの木材はプロ向けの3Dスキャナー、Artec Eva で4面とも全てスキャンされました。スキャンデータは処理され、Artec Studio でフルカラーのテクスチャのあるメッシュに変換されました。
その後は注釈のため、OBJファイルとして Rhino 5 にエクスポートされています。
海洋考古学者で3D記録の専門家でもあるUbi3Dの Thomas Van Damme がこのプロセスについて説明した内容: “Rhinoの PolylineOnMesh 機能で木材の特徴を全て注釈にし、見つけた正確な位置で独立したレイヤに保存しました。これらのメモには1つ1つ、全てのカットや削り跡、釘穴、わずかな擦り傷、木目その物、使われていた釘の種類、それが鉄釘だったか木釘だったか、建設に使われた道具、修理の痕跡があったかどうか、使われた木の種類など詳細が含まれます。”
“以前は電子化の契約業者を使って木材のエッジを全てトレースする必要があり、非常に時間がかかりました。私達のアプローチの良い点は、注釈を付けたスキャンを自動的に図面へ変換してくれるツールをRhinoが備えていることです。このため木材の輪郭をトレースする必要はなく、基本的には2Dの線図が注釈を付けたスキャンから自動的に生成されるのです。”
生み出された結果は研究にも教育にも役立つ情報です。
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